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不協和音(アニメ) 永続罠 お互いのプレイヤーはシンクロ召喚をする事ができない。 永続 罠 行動制限 同名カード 不協和音(OCG)
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このページはこちらに移転しました 不協和音のノイズ 作詞/ものぐさ大臣 もう 放っといて 夕暮れ終わる 夏も終わる もう 諦めて 明日が迫る 終わりも迫る 僕の辞書に 不可能の言葉は 蛍光ペンで マークしてあるけど 明日の予定 何も無いはずなのに 忙しいフリ してみただけだと 忘れたな 帰り道 どこに帰ればいいのかすら 忘れたい 過去の自分 どこに進めばいいのかすら 分からないから もう 放っといて 夕暮れ終わる 夏も終わる もう 諦めて 明日が迫る 終わりも迫る
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マジックテープの不協和音 白赤 エンチャント 対戦相手がコントロールする起動型能力は、それらがマナ能力で無い限り、 それをプレイするためのコストが1多くなる。 対戦相手が起動型能力をプレイするたび、マジックテープの不協和音はそのプレイヤーに1点のダメージを与え、 あなたは1点のライフを得る。 37版の 179 [部分編集] イラスト 俺がおごるよ 今日こそ俺が ∨ ∨ ∧,,∧ ∧,,∧ ∧,,∧ (´・ω・)(・ω・`)∧,,∧ ( ´・ω)(∧,,∧) (∧,,∧(ω・` ) < いやいや俺が払うよ l U l ( ´・) (・` )l と ノ .u-u ( l). (l ) u-u' `u-u' `u-u' ∧ 俺に任せろ! 【支払い中】 バリバリ バリバリ バリバリ バリバリ バリバリ バリバリ ∧,,∧ ∧,,∧ バリバリ バリバリ ∧,,∧ (´・ω・).(・ω・`) ∧,,∧バリバリ ( ´・ω).(っ□c) (っ□c)(ω・` ) バリバリ .パカ っ▼( ´・) (・` ).□と ノバリバリ バリバリ バリバリ .u-u (バリバリ (バリバリ u-u' バリバリ バリバリ バリバリ `u-u' `u-u バリバリ バリバリ バリバリ バリバリ バリバリ バリバリ バリバリ
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《墓場(はかば)からの不協和音(ふきょうわおん)》 永続罠 墓地から特殊召喚されたモンスターは、フィールド上に表側表示で存在する限りシンクロ召喚に使用できない。 《不協和音》の登場に全俺が泣いた。
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第六十話 不協和音 イム(化身)「私の化身技を防ぐとはなかなかやるな」 夕映(化身)「ますたーには指一本触れさせないです!」 槍と旗が真正面からぶつかり合う。 夕映(化身)「ますたー、ここは私が抑えるです! 今の内に!」 エヴァ「すまない、夕映!」 走り出すエヴァだったが、そこへ悟空さが立ちはだかる。 悟空さ「すみませんが、ここを通す訳にはいきません」 エヴァ「ならば力づくで!」 悟空さ「ミキシトランス、博麗霊夢!」 魔理沙「おおっ! 悟空さのあれが見られるのか!」 黒い長髪の巫女へと姿を変えた悟空さの周りに、七色の輝きを放つ球体がいくつも出現した。 悟空さ(霊夢)「夢想封印!」 掛け声とともに虹色の球体はエヴァの周りで爆発する。 七色の爆発に巻き込まれて、彼女は自軍のエリアまで吹き飛ばされてしまった。 響子「つ、強い…強すぎる」 ころね「大丈夫ですか、エヴァさん」 エヴァ「ああ、だが…負けるわけにはいかない。ここで負けてしまえば、全ては終わってしまう!」 たから「エヴァさん…」 イム(化身)「だが、お前達が勝つ未来は無い。アームド!」 夕映(化身)「しまったです!?」 その身に太古の戦士の力を鎧として纏ったイムは、茫然とする夕映をその化身ごと切り払った。 夕映「うわー!」 エヴァ「夕映!」キャッチ 夕映「うう…申し訳ないです、ますたー…」 エヴァ「こちらこそ、すまない。私が不甲斐ないばかりに…」 玲二「…」 キャル「玲二?」 玲二「俺が、突破口を開く!」 エレン「また無茶をして、駄目よ、玲二!」 玲二「天空の支配者、鳳凰!」 玲二(化身)「鳳凰烈火!」 玲二はその化身技を、霊夢の力を発現させている悟空さに向け解き放った。 悟空さ(霊夢)「はっ!」 手に持った棒切れを払って、いとも簡単にその炎を振り払った。 玲二(化身)「まだまだ! アームド! スピニングトランザム!」 続けざまに攻撃を繰り出す玲二だったが、今度は魔理沙が放った電光によってその螺旋の風も弾かれてしまった。 エヴァ「玲二! よせ、一人で突っ込むな!」 玲二(アームド)「俺が…俺がやらなきゃ! 皆に迷惑をかけた分を取り戻す!」 エレン「玲二…!」 竜馬「お前ばっかりに良い恰好させるかよ! 反逆のブラックゲッター、アームド!」 エヴァ「竜馬! お前まで…!」 竜馬(アームド)「行くぜぇぇ、悟空さ!」 悟空さ(霊夢)「何度やっても、無駄だ」 エヴァ「どうして…どうして、こうも上手くかみ合わないんだっ…!」 ころね「…単純だからでしょう」 エヴァ「何?」 ころね「皆さん、多かれ少なかれ、プロトコル・ファントムとして戦ってきた事に負い目を感じている。先程吾妻さんが言われたように、その引け目を無くそうと必死になっている。だから周りが見えていないのですよ」 響子「うちは別にそんな事ないけど」 キャル「あたしもー」 ころね「ほら、彼らも一応男性としてのメンツというものがありますから」 竜馬(アームド)「ぐわー!」 FF(俺って性別的に男なんだろうか…)ドキドキ ころね「そういう訳で、このチームを一つにまとめるのはエヴァさんの腕次第と言う訳です」 エヴァ「分っている…分かってはいるが…」 焦燥にかられるエヴァは必死に考えを巡らせるのだが、具体的な案が思い浮かばなかった。 そうしている間にも、敵の攻撃は緩む事無く続いていく。 聖白蓮「…あー、エヴァさん?」 エヴァ「何だ」 聖白蓮「何も音を一つに合わせる事はありません。合わないのなら、それぞれの音を活かしてやればいいのです」 エヴァ「それぞれの、音…?」 魔理沙「さぁ、行くんだぜ! スパークルウェイブ!」 数多の星屑に乗って、魔理沙は星空を駆け抜ける。 気合を込めて放つ光は、その星屑を乗せて、『ハーモニクス』へと降り注いだ。 皆「うわぁぁー!」 エヴァ「まずい…押されている。これでは、完全に我々に勝ち目はないではないか」 夕映「ますたー…」 悟空さ「さて、私の最大の一撃でとどめといきましょう」 ミキシトランスを解除した悟空さは、ゆっくりと飛翔する。 両手を天に向けて息を吸い込むと、その両手に巨大な光の球が出来上がった。 悟空さ「元気玉!」 仲間達のエネルギーを集めて作られたその攻撃に、もはや『ハーモニクス』になすすべはなかった… だが、一人諦めずに立ち向かう少女が居た。 夕映「ますたー…私を見て欲しいのです!」 エヴァ「夕映! 逃げろぉぉ!」 夕映「私の役目を果たす時です! 戦旗士ブリュンヒルデ、アームド!」 彼女の強い意志に化身は応えて、新たなる旗士を誕生させた。 想いの鎧を身に纏った彼女はまさしく戦乙女である。 夕映(アームド)「ザ・タワーA!」 せり上がる大地の隆起が元気玉を受け止め、次に放たれた雷撃がその元気玉を弾き飛ばした。 化身アームドで増幅された力が、夕映の技を極限まで進化させたのだ。 エヴァ「夕映…お前…」 夕映(アームド)「私は馬鹿だから、ますたーが導いて欲しいのです。私に出来る事はますたーや、皆を支えて勝利を称える事だけですから」ニコッ エヴァ「…」 今度は夕映に教えられる番であった。 勝利に固執するあまり、チームを活かすことを忘れていたのだ。 勝つためにはまず味方を信じ、その味方を導くことが何より大事である。 エヴァ「…攻撃は最大の防御とも、言うな」 エレン「え、エヴァさん?」 エヴァ「皆、私に力を貸してくれ! ネロ達『お菓子な仲間達』が示してくれたように、我々とて力を合わせればセカンドステージ・レスラーに十分対抗できるはずだ!」 皆「おー!」 エヴァ「行くぞ、ミキシトランス、信長!」 「静と動を使い分けよ!」 エヴァ(信長)(そうだ。信長公は言っていた。それを実行してこそ、時空最強の力は発揮できる!) 夕映「ミキシトランス、ジャンヌ! ますたー、後衛は任せるです!」 エヴァ(信長)「うむ! 行くぞ!」 エレン&玲二&キャル「はいっ!」 イム「来るか! 必殺タクティクス、絶対障壁!」 エヴァ(信長)「私の得意とする魔法は氷! 故に! その弱点も分かる!」 普段のエヴァなら在り得ない事が起きた。 静なるエヴァの氷は、信長と言う戦国時代を燃え盛る炎のような勢いで駆け抜けた男の力によって、変化する。 エヴァ(信長)「必殺タクティクス、神のタクト・ファイアイリュージョン!」 エヴァの周りに、螺旋の炎が出現した。 [[(続く) 61 個性達の共鳴]]
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第97話 不協和音(1) アシュトン・アンカースという友人がいる。 エクスペルの冒険で、初めて出来た男の仲間。 レナとセリーヌさんとの三人だけの冒険が不満だったわけではないし、『両手に花』という状況で喜びを感じないほどストイックな性分でもない。 ただ、それでも同性の仲間が出来たことは嬉しかった。 宿屋に泊まる時に一人ではなくなり、隣の部屋から聞こえてくる楽しげな話声に密かに嫉妬することもなくなった。 野営の時もそうだ。アシュトンが仲間になって、後衛の女性陣に任せないといけないという事態がなくなった。 仲間が増えて接する機会は減ってしまったが、それでも“疎遠”と呼ぶ程ではなかった。 古くから共にいたし、何よりも彼という人間をよくわかっていたから。 運も間も悪くて、乙女チックな一面があって、弱気で、そのくせ戦場では頼りになる樽マニア。 こんなに濃い個性、絶対他とは被らないだろう。 だから僕は仲間が増えた今でもアシュトンと仲良くしていたいと思う。 他者にはない素敵なものを、彼はいっぱい持っているのだから。 勿論、ずっと友人であり続けたいのはアシュトンだけではない。 あの日共に旅した仲間達は皆、個性的で掛け替えのない存在だ。 レナも、セリーヌさんも、オペラさんも、エルネストさんも。プリシス、ディアス、ボーマンさん。チサトさんにレオン。 みんなみんな、掛け替えのない大切な友人だ。 ――ノエルさんだって、本当に大切な友人だった。 暇を見つけてはよくバーニィと戯れていた。 ピョコピョコと両手を動かしては僕らの援護をしてくれた。 みんなで刺身を食べるときだけは箸を素早く動かして大トロを一人で掻っ攫ってくれた。 とても気が利く人だった。 争いが、本当に嫌いな人だった。 勿論僕だって争いは好きじゃないし、他のみんなだってそうだろうけど、ノエルさんは別格だった。 あの人は優しいのだ。みんなとても優しいけど、そんなみんなも一目置くぐらい優しいのだ。 だから、きっとその優しさ故に彼は命を落としたのだろう。 もう会う事が出来ないんだと思うと視界がぼやけそうになる。 だけど、今はまだ立ち止まるわけにはいかない。僕の仲間がまだこの島には残っているのだ。 ノエルさんには悪いけど、彼を悼むのは全てが終わってからにしよう。 この島では、少しの気の緩みが命取りとなる。 最初に襲われて気を失ったのも、チサトさんに誤解されたのも、全ては僕のミスのせいだ。周りがよく見えていなかった。 ジャックの死もそうだ。 姿を見られたくないのなら、後ろからこっそりついていけばよかったじゃないか。 黙って見送り、のんびりと待ち、ジャックの死に気付くことさえできなかった。 錯乱した少女に襲われたにしろ何らかの理由で禁止エリア内で動けなくなったにしろ、僕がついていってれば対処できたはずなのに。 それなのに、保身を優先して犠牲者を出してしまった。 言い訳をするなら、この異常な状況のせいで神経がすり減っていたのだろう。 だけどもう同じ過ちは繰り返さない。 例え疑いを向けられたって、チサトさん達の元に駆けつける。 ……大丈夫だ、もう判断は誤らない。 ノエルさんの死に心を痛められるくらいには冷静になっている。 さっきまで心に余裕がなかったのに、だ。 それはきっと信頼のできる仲間が今目の前にいるからだろう。 彼は僕が名前を呼んだら立ち止まり、こちらを見た。 その際にエネミーサーチが反応したが、これだけで相手が殺し合いに積極的に参加していると決め付けるのは早計だということはついさっき学習済みだ。 戦場で突然背後から声をかけられたら警戒心を露わにして当然なのだ。 だから僕は、今までの失敗を生かし笑顔で彼に近づくことを選択した。 「あぁ……なんだ、クロードか」 ――アシュトン・アンカースという友人がいる。今、僕の目の前に。 ☆ ★ ☆ ★ ☆ 何が、起こったのだろう? 気付かぬ内に催眠術か手品にでも引っかかってしまったのだろうか? それとも、これは夢だろうか? そうでなければ説明がつかない。 大切なヒトが――アーチェが、腰から下を残して“飛び散った”なんて。 「なん……でだ……? おい、何とか言えよ……アーチェ……」 ようやく喉から言葉が出た。 だけどよ、このセリフはないんじゃねえのか? だってよ、このセリフは目の前の肉片をアーチェだって認定することになるんだぜ? おかしいだろそんなの。 仲間内じゃ一番付き合いが浅かったけど、それでもコイツがどんな奴かはよく分かってるつもりだ。 こいつが軽口を返さない時は、よっぽど傷ついてる時なんだ。 だから俺はアーチェに秘仙丹を渡したんだ。 本当はアーチェを襲ったクソ野郎の事をもっとよく聞きたかったけど、気を使いながら上手に聞き出す自信がなかったからその事には触れないでいたんだ。 だってそうだろう? こいつを飲んで横になってればきっと元気になるんだから。話はそれから聞いたって遅くないだろ? だから貴重な貰い物をお前にやったんだぜ? 分かったらさっさと起きろよ。いつもみたいにやかましく喋れよ。 長々とお前の冗談に付き合ってやれるほど、今の俺達は暇じゃないんだぜ? 「う……っ」 アーチェを見ている内に、胃液が逆流してきやがった。 クソが、何考えてるんだよ俺は。アーチェは大事な仲間じゃねぇか。 軽口で散々罵ったけど、本当にゲロっちまうほど醜い外見はしてないぞコイツは。 胸はペッタンコだけど他は並より遥かに上だ。 そんな女を見て吐いちまうなんて最低だぞ。 飲み込めよ。昔はそれこそ泥水を啜るような暮らしだったじゃねえか。 あれに比べたら自分の胃液を飲むくらいどうってことないはずだろう? ――あぁ、そうだよ。認めるよ畜生。もう本当は理解しちまってるんだ。 目の前の肉片はアーチェだってことくらい。 もうアーチェが起き上がる事はないってことくらい。 アーチェの死の直接の原因は、きっと俺だってことくらい。 そう、俺が、アーチェを殺しちまったんだってことくらい。 「………………」 最低の気分だ。仲間をこの手で殺しちまった。今すぐにでも死んでしまいたいほどだ。 だが、俺はまだ死ぬわけにはいかない。 今さっき認めたように、アーチェは俺が与えた秘仙丹で死んだんだ。 それはつまり、秘仙丹を俺に渡したあの野郎が、間接的にアーチェを殺したってことなのだ。 だったら俺のやる事は一つだ。ボーマンの野郎をぶっ殺す。 自分自身の贖罪やルシファーなんざ後回しだ。 あのクソ野郎を、アーチェの代わりにぶっ殺してやる……ッ! ☆ ★ ☆ ★ ☆ 彼等はいつもひとつだった。 勿論彼等には個性があるし、考え方にも違いがある。意見が食い違った事も多々あった。 それでも、彼等らひとつだった。 そんな各自の意見の違いも含めて、『アシュトン・アンカース』という存在だった。 どれだけ揉めても最後は一丸となって何かを成し遂げてきた。 少なくともアシュトン自身は二人と一身同体だと思っているし、ギョロとウルルンもそのことに不満を持つことはなかった。 なんだかんだ言いながら彼等は楽しくやってきた。 この殺し合いの場においても、彼等はひとつとなり激戦を生き延びてきた。 だけどそれは、あくまで上辺だけの話。 結果的に同じ行動を取ることにしても、その“理由”は大抵の場合バラバラだった。 今まではそんな事は問題にならなかった。これからも問題にならないと思っていた。 少なくともアシュトンはそう思っていた。 二匹は大切な友人だから、彼等はひとつなのだから、結果的に自身の我儘を聞く形になった二匹も、プリシスのために行動してくれると。 アシュトンは友人を、無条件で信じてしまっていた。 ――――彼等は、ひとつ“だった”。 ☆ ★ ☆ ★ ☆ 状況は一瞬で変わってしまった。 クレス君が意識を取り戻してから、僅かながら追い風が吹いているとさえ思えたのに。 最初は警戒したけれど、偶然出会ったクレス君の仲間は彼の言うとおり信頼出来そうな人物だった。 彼らのやり取りを見ていると、未だ出会えぬい仲間達が恋しくもなった。 短い時間しか彼らを見ていないけれど、私がみんなと築いたモノと同じものを、彼らの間に感じることができた。 彼らを見てると希望を感じることができたし、頭数も揃っているため余程のことがない限り全滅することはないだろうとさえ思っていた。 なのに、その矢先に小さな爆炎が幻想的な希望と少女の命を奪い去ってしまった。 (一体、何が!?) だが今はショックを受けている場合ではない。 先程までの和やかな空気が一変してのこの惨状だ。 クレス君やチェスター君は頭が真っ白になっていてもおかしくはない。 私がしっかりして、状況の把握をしなくては…… 「う……っ」 チェスター君が嘔吐をしそうになっている。 ……無理もない。『内側から弾け飛んだ人体』などという普通にいけば一生拝む事のない代物を目の当たりにしてしまったんだ。 気分が悪くなったとしても、責められるものではないだろう。 掛ける言葉があるわけでもないので、一旦彼は放っておく。 今一番大事なのは彼女が何故死んだのかだ。 チェスターはボーマンから秘仙丹を貰ったと言っていた。 その秘仙丹を飲んだ途端にアーチェは爆死してしまった。 普通に行けば、アーチェの爆死にはボーマンが一枚噛んでいるとみて間違いないだろう。 だが、それだと腑に落ちない点が生じてくる。 チェスター君は秘仙丹をクレス君にあげるつもりだったと言っていた。 それはつまり、ボーマンがクレス君が重体であることを教えると共に秘仙丹をチェスター君に渡したということだ。 殺意があって秘仙丹を爆薬にしたのだとしたら、その獲物はクレス君ということになる。 だとしたら何故クレス君をあの時に助けた? 私に殺されることを恐れてか? だとしたら何故あの時私の誘いに乗らなかった? 優勝狙いで私もクレス君も殺したいのなら、私の誘いに乗っておいて私に爆薬を口にさせればよかったはずだ。 口に入れるだけで爆発するのであれば、何も騙して自主的に飲ませる必要はないのだから。 適当に話を合わせて近付き、私を爆殺してから眠りっぱなしのクレス君を殺してもよかったのに、それをしなかった理由は? もしかしてボーマンは、クレス君に何らかの私怨があるのか? 「待ちなさい!」 ……いけない、少し脱線してしまった。 ボーマンの目的は今考えるべきことではない。そもそも彼が殺したと決まったわけじゃないのだから。 今大事なのは誰がアーチェを殺したのか、だ。 踵を返し森の奥へと消えそうだったチェスターの目は、悲しみと怒りに満ちている。 感情の赴くままにボーマンを殺しに行く気かもしれない。。 「……聞きなさい」 一瞬だけ歩みを止めるもすぐにまた動きだした彼の腕を掴む。 悪いが彼を行かせるわけにはいかない。 勿論「相手が誰であろうと殺してはいけない」なんてことを言いたいのではない。 考え得るケースで最悪なのは『ボーマンが秘仙丹をくれたのは善意であり、にも関わらずに怒りに身を任せたチェスターが彼を殺してしまうこと』である。 それだけは避けなくてはならない。それだけの話だ。 「よく考えて。貴方、あの娘から話を聞いた時に何って言ったか覚えてる?」 もう殺し合いもずいぶん進み、私の仲間もほとんどが命を落としてしまった。 まだ何も出来ていないというのに、動き出す前に手を取り合えるものがほとんどいなくなってしまったのだ。 はたして一体何人の仲間がまだこの島で生きている? わからない。わからないが、きっと多くはないだろう。 だからこそ貴重な仲間をこれ以上失うわけにはいかない。ましてや確証のない疑惑なんかで。 勿論チェスターが怒りを鎮め私達と行動してくれるのがベストなのだが、どうやらそれは難しそうである。 ならば止めるのはやめよう。どの道仲間を探しに行く必要があるのだ。“アーチェ殺しの犯人”を追う事を止める必要はない。 要は、怒りの炎を遅かれ早かれ倒さねばいけない者に向けてもらえばいいのだ。 そしてその“犯人”を追いながら仲間を集め戦力を補強してもらえばいい。 だから私は、チェスター君を誘導する。出来るだけ仲間を失わないために。 「女の子を殺し、ホテルで人を襲った犯人は炎を使っていたって」 「…………」 「そしてアーチェはその犯人にも襲われていた 「…………あ?」」 「もし、アーチェがその殺人鬼から逃げ切って私達の所までやってきた……と、“思い込んでいた”のだとしたら?」 「ま……さか……」 一瞬、チェスターの顔から怒りの炎が消え失せる。私の言ったことが分からないとでも言いたげだった。 それもそうだろう。これは言いがかりと言っても過言でないような推理なのだ。 だが、チェスター君の顔が見る見る内に歪んでいく。 「自在に炎を操るのなら、時間差で攻撃する技があってもおかしくはないわ」 まるで鬼の様な形相で私の顔を――おそらくは、と言うよりまず間違いなく『私の顔』でなくここにはいない『アーチェの殺害犯の顔』を――睨みつける。 その表情は凄まじく、ギリギリと歯を食いしばる音が聞こえそうなほどだ。 そしてその瞳に込められた想いは、『怒り』から『殺意』へ切り替わっているように思えた。 「クロオオォォォォオォォォォォォオォォオォォォォォオォォォオドッ!!」 殺意に満ちたその声に不覚にも怯んでしまう。 まずい。そう思った。今の彼は仲間集めなど放ったらかしで復讐に走りかねない。 まずい。そう思って、思考を『どう彼を止めるべきか』に切り替えたと同時に彼はすでに走り出してしまっていた。 ☆ ★ ☆ ★ ☆ クロード・C・ケニーがアシュトン・アンカースを発見するおよそ3時間前。 アーチェ・クラインが爆死するおよそ4時間前。 そしてルシファーによる定期放送のおよそ10分前。 一人の殺人鬼が、目を覚ました。 「酷いなぁ、風邪引いちゃうかもしれないじゃないか」 アシュトン・アンカースは不満そうに呟きながら前髪を整える。 ウルルンが約束通り第二回放送の10前に起こそうとした所、寝惚けたアシュトンが「あと五分」などとほざいたので、前髪を凍らせて額を冷やしてやったのだ。 「ぎゃふ(しっかりしろ。そんなことでは命がいくつあっても足りんぞ)」 「ごめんごめん、分かってるって……」 ウルルンへと謝罪しながら、アシュトンは伸びをする。 「うん、スッキリした。寝すぎちゃうより仮眠の方がスッキリするってホントなんだね。誰が言ってたのか忘れちゃったけど」 おどけたように言いながらデイパックから地図や名簿を引っ張り出すアシュトン。 ――何かが、違う。ギョロとウルルンは訝しんだ。 それが何なのか上手く言葉に出来ないが、休息を取る前と後では何かが決定的に違うように思えた。 (……どういうことだ? 休息を取って気でも緩んだか?) そして二匹は違和感の正体にほぼ同時に勘付いた。 眠りにつくまで常に纏っていた狂気がすっかり鳴りをひそめている。 気が動転していたレオンは気が付かなかったようだが、微笑みにしても狂気に染まった冷たいものだったのだ。 それが今はただの笑みになっている。あの旅をしていた頃の、普通の笑みに。 これは余談だが、プリン頭のスカートを履いた変態の方はかなりの手練に見えたのだが、アシュトンがレオンの仲間と知って油断でもしていたのかレオンに対する攻撃を見抜けなかったようだ。 (まあ、おそらくは戦闘から離れたためだろう。獲物が現れればまた狂気に染まるはずだ) アシュトンの狂気は現実逃避によるものである。ギョロとウルルンはそう考えている。 プリシスに拒絶された事実を認めたくないがために、無理矢理納得せざるを得ない理由付けをした。そしてそれを行動指針にアシュトンは殺戮に走ることにした。 最初に襲った三人に顔見知りがいなかったのは幸運だろう。 アシュトンは弱い男だ。あの段階で仲間に説得を受けたら恐らくは殺戮に走れなかったはずだ。 そしてプリシスに拒絶された現実と殺戮に走ろうとした事への罪悪感から、さっきまでのアシュトンとはまた違った方向に壊れてしまってたと思われる。 それを思うと殺戮方面に壊れてくれたのは幸いだ。廃人になられたら自分達にはどうしようもないのだ。 自分達も困るし、口には出さないが大事な友だと思っているアシュトンが廃人になるのは見ていて忍びない。 狂気に走るのも見ていて楽しいわけではないが、魔族にとっては特別不快に思うようなことでもない。 だから心の底で感謝しながら、あの男を殺させてもらった。 (休息を取ったのは失敗だったかもしれないな……) あの男とあの女を異常に残忍な殺し方をしたのも、一種の逃避行為に思えた。 盗賊や魔族、襲い来る者を容赦なく殺す程度には度胸があるが、無抵抗な者を殺せるほどアシュトンの心は強くない。 あちらも仕掛ける気満々だったとは言え、途中からは命乞いする一方だった男を殺した際に少なからず罪悪感を感じたのだろう。 だがアシュトンはもう引き返すことが出来ないのだ。引き返せるほど強い心は持ち合わせていないのだ。 あの殺戮ショーは罪悪感を振り切るためにやったのあろう。『こうしてプリシスのために役立てる事は最高に楽しい』と自分自身に思い込ませるために。 弱い自分が殺戮に走るのを、プリシスのせいにするために。 (アシュトンは冷静になってきている。このままでは、いずれ……) 気付かせるわけにはいかない。『プリシスのために殺しをしている』はずが、本当は『プリシスを言い訳に殺しをしている』ということを。 そんなことになったら、逃げ場を失ったら、弱いアシュトンは崩壊する。それだけは何としてでも避けなければならないのだ。 戦闘を重ねることで、『プリシスのためにやっている』という意識を強めてきた。 自らが傷つくことで、『プリシスのためにここまでやっているんだ』というヒロイズムに酔う事が出来た。 そうして罪のない人間を殺した事への罪悪感から逃避していたというのに、体の傷を癒させるために休憩を取らせてしまった。 冷めてしまった湯を再び沸騰させるのは難しいというのに。 『――フフン…、こんばんは諸君』 場の空気が一気に張りつめる。第二回放送が始まった―――― ☆ ★ ☆ ★ ☆ 許せなかった。大切な人を奪った奴が。 許せなかった。何にも出来なかった自分自身が。 許せなかった。心の底から憎んでやった。なのに、結局仇も取れなかった。 アミィも、村のみんなも、誰一人守れずに、その仇すらダオスに横取りされてしまった。 そのダオスすらも、この島で勝手に死んでしまったようだ。 そう、俺はこの島でも何一つ出来てないのだ。 何にも出来ないまま、ミントは命を落としてしまった。付き合いは短かったが、本当に優しい人だった。 クレスともいい雰囲気だったし、この二人はそう遠くない未来で夫婦にでもなっているんじゃないかと思っていた。 だけど、そんな日は二度と来ない。何も出来ないって分かっていたくせに、焼け落ちる校舎を眺めてる内に、彼女の未来は奪われてしまった。 あの分校で焼け死んでいた女の子にしてもそうだ。遺体を埋めてやることすら出来ず、その仇も逃がしてしまった。 そしてその仇は、クロードは、今度はアーチェを殺しやがった。 俺は何も出来てない。俺がしっかりしていれば、助かった命もあったかもしれないのに。 「何……すんだよッ!」 だから俺は走り出した。これ以上の悲劇を生ませないために。 なのに、俺の体は地面へと吸い込まれた。 背に感じる重みの正体は見なくても分かっている。 「落ち着けチェスター!」 当然だ。だってこの声は、長年背中を守ってきた親友のものなのだ。聞き間違えるはずがない。 「離せ、離しやがれ、クレス!」 クレスの方が、俺よりも人間が出来ている。偽りのない本心だ。 だからアミィを安心して任せられると思っていたし、アミィの死後すぐにお前がミントとくっ付いてもアミィの気持ちが踏みにじられたとは思わなかった。 お前の誠実さはよく分かってるつもりだったからだ。 だから俺はお前と親友であることを誇りに思うし、お前のためなら何だってしてやろうと思えた。 それこそ、お前を逃がすためなら単身ダオスの前に残ることくらい屁でもない。 だって俺は信じていたから。お前ならアミィや俺の仇を取ることが出来るって。お前はそれを絶対に成す男だって。 そうだ、俺はお前をあらゆる面で信じていたんだ! なのに……なのに何でだ!? 「ふざっけんなよ! 仲間が……アーチェが殺されたんだぞ! 悔しくねえのか!? いつからお前はそんな冷たい奴になっちまったんだ!」 「チェスター、いいから話を……」 「話!? 話って何だよ! 大事な仲間の仇を討つことよりも大事な話ってのは何なんだよ!」 畜生、クレス、何でお前はそんなに冷静でいられるんだよ!? 昔のお前なら、怒りを滾らせてたろうに……俺のいない間の冒険で、そんなに変っちまったのかよ!? 「悔しくないわけないだろッ!」 クレスの叫び声が聞こえる。その言葉には、怒りや後悔、悲しみの念が入り混じっているように思えた。 「アーチェは仲間だったんだ! ずっと冒険してきた、大切な……」 だからこそ、俺は余計に腹が立つ。きっとお前の意見は正しい。だけど、正しいと理解できてもきっと納得は出来ないから。 「なら、何でだ! お前そんな冷たい奴だったのか!? 大切な仲間が死んだのに、仇を取ろうとも思わないのかよ!」 何で変ったんだよ。アミィが恋してたお前は、俺が親友と思っていたお前は、そんなに“大人”じゃなかっただろ!? 「仕方がないだろ! 悲しいけど、前に進まなくちゃいけないんだ! そうしなきゃ、生き残ってる大事な人が守れないんだ!」 「仕方がない……? お前……アーチェの死をそんな一言で済ませるのかよ!」 「そうじゃない! いい加減にしろよチェスター! 」 そうじゃないなら何だって言うんだよ。何でお前は……お前はッ! 「いい加減にしろ? いい加減にするのはお前だろ、クレス。ミントの死もそうやって『仕方がない』の一言で済ませちまったのかよ!?」 不意に体を浮遊感が襲う。クレスによって立たされたと理解した時には、左頬に衝撃を受け無様にも地面を転がっていた。 何しやがる。そう言ってやろうと立ち上がり、見てしまった。 クレスのあの目。怒りと悲しみと後悔に満ちながらも、狂気は孕んでいないクレスの目を。 「そんなわけ……ないだろ…… だけどミントは僕が塞ぎ込む事を望んでなんかいない。他の仲間を放ったらかしで絶望に浸ってほしいなんて、絶対に思っていないんだ!」 ――あぁ、そうか。気付いちまった。どうしてこんなにも腹が立つのか、その単純明快な答えに。 「……だろうな。ミントも、アーチェも、そんな事を望むような奴じゃねえ。そんなこと、俺だって分かってる」 これは嫉妬だ。醜く愚かな、くだらない嫉妬心だ。 クレスみたいに大人になれない、仲間のために感情を押し殺す事の出来ない、幼い自分にイラついてるんだ。 だけどもうどうしようもなかった。それが分ったところで、はいそうですかと敵討ちをあきらめられるわけがなかった。 「でもよ……そんなもんじゃ割りきれねえんだよ。割り切れるわけがねえ。大事な人が死んだのに、暢気こいて大局を見れるほど、俺は人間が出来てないからな」 「チェスター!」 「ああ、クレス。お前はすげえよ。ちょっと見ない間に俺の知らない冒険をして随分成長したもんだ。尊敬するね。そんな合理的な考え、俺には出来ねえ」 ぐにゃり。 自身の唇が歪んだことが分かった。おそらくは冷たい笑みを浮かべているだろう。 この場面でまるで鬱憤を晴らすかのように自然と笑みが出るという事は、もしかしたらずっと前からクレスに嫉妬していたのかもしれない。 「さすがは時空剣士様だよ。お前にはリーダーの資質がある。お前ならダオスを追い詰めれたのも納得だ。もうお前は片田舎で笑顔に包まれながらのほほんと暮らしていたお人よしの少年剣士じゃないんだからな」 本当はずっと憧れていた。嫉妬心もあったのかもしれないが、普段そんなものを抱いてたという自覚はなかった。 ただただ俺より秀でたクレスの事を尊敬し、アイツと肩を並べて歩きたいと願っていた。そうすることで、俺は自分が『素晴らしい兄貴』でいられるとさえ思っていた。 実際、戦闘技術をはじめ多くの点でクレスと対等になれた時から見ていた景色は、今までの人生で最も光り輝いている。 だからこそその景色を奪っていったあいつらが許せなかった。大切なものを奪った奴らが許せなかった。「復讐なんて意味がない」と分かりつつも、仇を追わねば気が済まなかった。 ……あの時はお前も隣にいたはずなのに、あの時ダオスから庇った背中は随分と遠くに行っちまった。もう奴の背中も見えやしない。 だからそれが悔しくて、アイツに置いて行かれる自分が許せなくて、深夜に一人俺は弓を射続けた。 差がついてたことは分かっていたけど、それでも俺は再びお前と肩を並べて歩きたかったから。 そうしないと、劣等感に押し潰されて、あの日見続けていた景色を二度と見られないような気がしてたから。 「お前は間違ってないぜ、正しいから胸張れよ。けどな……」 だけど、今はもう違う。お前に追いつこうだなんて思わないし、きっともう二度と追いつけない。 俺は今、お前が歩んできた成長の軌跡とは違う道を行こうとしてるのだから。 「誰もがお前みたいに正しくあり続けられるわけじゃねえんだよ、クレス」 自嘲めいた笑みを浮かべ、もう一度だけクレスを見る。 「チェスター……」なんて間抜けな声を洩らす姿は、肉体的にも精神的にも完璧な時空剣士様とは思えない滑稽なものに見えた。 「俺は行くぜ。止めても無駄だ」 「チェスター!」 「……止めんなよ。こんなことになっちまったが、お前は俺の親友だ。殺し合いたくなんてない」 もしもクレスが実力行使に出たら、俺はクレスを殺そうとするだろう。 出来る事なら無力化程度にしておきたいが、成長したこいつ相手じゃそんな余裕は微塵もない。 俺の想いが――本気でクレスと殺し合う事も辞さないということが伝わったのか、クレスは俯いて拳を握るだけだった。 説得の言葉が浮かばないのだろう。こちらに説得される気がないのだから当然だ。 クレスが実力行使に出ることはないと判断し、再びクレスに背を向ける。 走り出そうとしたら、背後からマリアの声が聞こえてきた。 「次の放送まで、私達はこの村で策を練るわ。殺し合いを止めたいって人間がいたら、合流するよう言ってもらえないかしら? 勿論、貴方も歓迎するわ」 「…………」 返事はしなかった。 こちらに寄越さずにクレス討伐の手伝いをしてもらおうという気持ちもある。 だがそれ以上に、殺し合いに乗らない人間を集めようという意識が希薄になった俺が仲間面をするのは、何となく気が引けたから。 「……あばよ、クレス」 呟き、元来た道を走り出す。もうここへは戻らない。もう絶対振り返らない。 俺の後ろに在るものは、道を違えたかつての親友。こんな事にならなければ、再び背中を預け合っていたかもしれない長年のパートナー。とても正しく、希望に満ちた時空剣士。 心から脱出を願ってる。クレスなら、絶対出来ると思っている。 だからこそ、俺はここには戻らない。あいつと共に脱出する資格があるとは、今の俺にはとても思えなかったから。 ☆ ★ ☆ ★ ☆ 第96話← 戻る →第97話(2) 前へ キャラ追跡表 次へ 第82話 アシュトン 第97話(2) 第94話 チェスター 第97話(2) 第91話 ボーマン 第97話(2) 第94話 クレス 第97話(2) 第94話 マリア 第97話(2) 第94話 クロード 第97話(2) 第41話 ノエル 第97話(2) 第41話 ロウファ 第97話(2)
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◆聴いてください!不協和音! (きいてください!ふきょうわおん!) ツィツィーの迷言。 歌唱発動時、不協和音を演奏するときに言う。 本人の魅力に相反したその歌声に、すべての耳有りし生ける者が逝ける。 聴かせて欲しくは無いが、固定ダメージの優秀さは様々な状況を救っている現実。 有難がって間近で拝聴しますとハッピー♪ この発言のせいで、ツィツィーが周囲から音痴だと思われているのは言うまでもない。
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ふきょうわおん -dis cord-【登録タグ ふ ジュンP 曲 鏡音レン】 作詞:ジュンP 作曲:ジュンP 編曲:ジュンP 唄:鏡音レン 曲紹介 「響き続ける不協和音」 歌詞 (ピアプロより転載) ある人は君の声を伝え ある人は君を見たという 静かに刻まれる時間 その始まりから終わりまで ずっと見てきたのだという 全てを知っているのだという わずかな祈りを込めて 君が歌うのを止めたら 誰のためでもないけど 僕が続きを歌おうか? AH・・・けれど 祈りの歌はひとつではなかった 「君のためなら死ねる」って 「君が救ってくれるはずだ」って 君と君と君と君と君と たくさんの歌がそこかしこに 導いてくれたりもする 悟りを開いたりもする 行き先はいくつにも分かれる 互いの色を見比べるけど 『全ての隔たりが消えて全てがひとつになれたら争うこともなくなる』 って今更そんなの不可能 姿も形も起源も 混ざり合うことは叶わず 異種の歌が反発しあって 不協和音が争いをもたらした 黒い黒い空の真下 殺しあうは君のために 灯火は何も知らずに その光を消されて逝く 黒い黒い空の真下 冷えた冷えた包みの山 掌に収まるような 幸せは踏み潰される 悲しみの雨降らすなら いつか青空をください そこに虹をかけてくれとは言わないから どうか灯火を守って どうか笑顔をもう一度 それだけで暗い未来は照らされるから 爪跡に満たされた血と涙 ずっと忘れないから ある人は君の声を伝え ある人は君を見たという 静かに刻まれる時間 その始まりから終わりまで ずっと見ていたんだという 全てを知っているのだという 喧騒にまみれた世界で 僕は君を見つめていた 君が僕に気づいたら 僕は足を止めてしまう 導いてくれたりもする 悟りを開いたりもする 行き先はいくつにも分かれる 君の呼び名は”神様” わずかな祈りを込めて 君が歌うのを止めたら 誰のためでもないけど 僕が続きを歌おうか? 姿も形も起源も 在るべき姿のままでいい 異種の歌は混ざり合って 不協和音-discord-よ新しい和音-cord-となれ! コメント 名前 コメント
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《嵐の中の不協和音》 No.1589 Command <Special Collection Vol.13> NODE(3)/COST(1) 効果範囲:プレイヤー、手札、デッキ、冥界に及ぶ効果 発動期間:瞬間 〔このカード〕はメンテナンスフェイズにしかプレイ出来ない。このターン、あなたが「連結」を持つカードをプレイした場合、干渉終了時に〔相手プレイヤー〕にXダメージを与える。Xは「連結」の効果で除外した「連結」を持たないカードのコストの合計値に等しい。 (自動β): 〔このカード〕のプレイが無効にされた場合、〔あなたのデッキ〕を全て見て、任意のカードを3枚まで抜き出し、破棄しても良い。その後、デッキをシャッフルする。 「こらこらそいつは私の得物だぞ?横取りとは感心しないねぇ」「お、おう、二人相手でも構わないぞ?」 Illustration:カズ コメント 連結を要件とした特殊なバーンカード。 連結素材のコストに応じてダメージを与える。 メンテナンスフェイズに先打ちする必要があるため、連結そのものを無効化されるとアドバンテージを失ってしまうのが最大の難点。 また、たとえ通ったとしてもこのカード1枚では要石「天地開闢プレス」並の5点を与えられるかも怪しく、ただでさえコンボ性の高い連結に絡める魅力があるカードかと言われると疑問符が浮かぶ。 後半の(自動β)も、そもそもこのカードを打っている状況=確実に連結ができる状況であり、そんな状況で3枚のカードを落としても何にもならない場合が多い。 通常の連結デッキにただ挿しただけではお話にならないレベルのカードだろう。 一応、思念の看破にこのカードをセットし、自分で打ったこのカードを無効化し、(自動β)で破滅の呼び声を落とせば、アドバンテージを失うことなく揃えにくい魔眼「ラプラスの魔」の素材が揃う。 このカードを使うなら、連結の添え物とするよりも専用のワンショットデッキを構築したい。 例えば、天竜「雨の源泉」+何もかも逆さまな世界のループデッキにこのカードを仕込み、ラストスペル化を利用してメンテナンスフェイズ中にループに突入すれば、無限ドローからこのカードをドローして発動、無限に連結を行うことでワンショットキルが成立する。 その他にも「遊星よりの弾幕X」なら冥界の上から10枚がコスト平均2.5以上でワンショットキル成立と、特化すれば決して不可能な数字ではない。 連結素材に名称を指定した連結を使用した場合、このカードで与えられるダメージの最大値はレミリア・スカーレット/14弾+フランドール・スカーレット/1弾を除外した紅月の女王チームや、東風谷 早苗/11弾+八坂 神奈子/14弾+洩矢 諏訪子/3弾を除外した守矢の祭神チームの12点である(第十六弾時点)。また、このカード1枚+連結1枚で出せる理論上の最大ダメージは「遊星よりの弾幕X」で天魔/7弾を3枚、八意 永琳/10弾を3枚、風見 幽香/1弾を3枚、夢月/9弾を1枚除外した場合の84点である(第十六弾時点)。ライフポイントの初期値25点が3回吹き飛び、お釣りまで来る馬鹿げたダメージとしか言いようがない。 収録 Special Collection Vol.13 Great Bellwether
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駆け抜ける不協和音 「なのはママー……」 真っ暗闇の森の中に、か細い女の子の声が響く。 今にも泣き出しそうな程に震えた声。助けを求め、最も信頼出来る人の名を呼びながら歩く。 だが、その呼び掛けに返事が返される事は無く、かえって少女を不安にさせるだけだった。 少女……ヴィヴィオは、つい先程まで、母親である高町なのはと激闘を繰り広げていたのだ。 そして、正直言って普通の人間ならば何よりも怖いと感じる筈の、なのはの全力全壊スターライトブレイカーを受け…… 気付けば訳のわからない広間にバインドで拘束されていた。 それがたった数分前の出来事。自分が目を覚ました次の瞬間には、目の前で一人の人間の頭が爆ぜた。 いくら「強くなる」と約束したヴィヴィオでも、このような状況に陥って平常心でいられる訳が無かった。 だが、それでも随分と成長した方だ。過去のヴィヴィオなら恐らく、何も出来ずに大声で泣きわめいていた事だろう。 なのはを探す為に、自分から行動を起こす事を選んだヴィヴィオは、子供ながらに立派と言える。 「なのはママー……フェイトママー」 呼び掛けながら、木を掻き分け進む。 ヴィヴィオは気付かなかった。この行動で引き寄せられるのは、なのはやフェイトのような善人だけでは無いという事に。 ヴィヴィオは気付かなかった。ゲームに乗った人間までもが、ヴィヴィオの声に引き寄せられている事に。 ◆ 「さて……どうしたものか……」 矢車想は考える。 一体このゲームの真意は何だ? 人間同士で殺し合わせて何になる? 非常に合理的な性格の矢車には、利益も無くこんな無意味な戦いを強要する意味がさっぱり解らない。 「プレシアとかいったか……あの女、一体何者なんだ……?」 右手を頬の近くに、左手を右肘に、矢車特有の“考える人”の動きを見せる。 ネオゼクトやワームを掃討する為ならば、矢車は容赦無く相手の命を奪う。 だが、それ以外の人間は矢車にとって護るべき存在だ。理由はどうあれ、プレシアとかいう女の思惑通りにゲームに乗る訳には行かない。 そして何よりも、矢車にとっては「誰かの掌で躍らされる」のがたまらなく悔しいのだ。 ならば、矢車の取る行動は一つ。 「完全作戦……パーフェクトミッションにおいて、プレシアを倒す。」 矢車は、ボソリと呟いた。次に、左腕に装着したザビーブレスを触ろうと…… 「……何?」 おかしい。そこに有るべき物が無い。スーツの袖をめくり、もう一度確認する。 が、ザビーブレスの姿はどこにも見当たらない。いつ如何なる場合の敵襲にでも対処出来るように、外した事など無い筈なのに。 「どういうことだ……?」 慌てた矢車は、確認の為全身のポケットをまさぐる。それでも見当たらない。探しても探しても。 ややあって、思い出した。プレシアの言葉を。 ――あなたたちの武装は全て解除して、こちらで用意したいくつかの道具と混ぜてランダムで支給するわ―― 矢車の頭の中で蘇るプレシアの言葉が、矢車の表情を青ざめさせてゆく。 「何て事だ……! 命よりも大切なザビーゼクターを、あんな奴に……」 ややあって、矢車は力任せに近くの木を殴りつけた。その表情は、悔しさと焦りに歪み。 無理も無い。ZECT本部から支給された大事な大事なザビーブレスを、あんな訳の解らない女に奪われてしまったのだから。 力を失ってしまった矢車にはどうする事も出来ないのだろうか? いや、そんな事は無い。矢車は仮にもZECTのエリート。一部隊の隊長なのだ。 例えザビーゼクターが無くとも、脱出する方法ならいくらでもある筈だ。 「(そうだ……まずは仲間を集めるんだ)」 ゆっくりと顔を上げる。考えても見れば、いきなりあんな訳の解らない説明を受けて直ぐにゲームに乗る人間がいる筈が無い。 そんなことをしても、自分にとって何の利益も無いからだ。 ……と、そこまで考えた矢車はふと、思い出したように首元に手をやった。 「(いや……だがこの首輪がある限り逆らう事も出来ないか……)」 そう……忘れてはならないのが、この首輪の存在。目の前で爆破の瞬間を見せられた以上、迂闊に逆らう訳にも行くまい。 だとすれば、嫌々ながらに人を殺す人間が現れても仕方が無い。 そんな人間が現れた場合は……悪いが、そこでトドメを刺させて貰う。 そんな人間を救出した所でチームの不協和音になるのは目に見えているからだ。 完全なる調和の元に完全なる作戦を遂行する矢車にとって、そんな人間をチームに入れるのは御免被りたい。 「(よし……そうと決まれば、まずは仲間を集めるんだ。そして、機会をみてプレシアに反撃する)」 矢車の頭の中で構築されていく作戦。完全過ぎる。自分が恐ろしくなる程に完全過ぎる。 完璧に完全なパーフェクトミッションのプランを立てた矢車は、デイパックを持ち上げ、歩き始めた。 「ん……?」 しばらく歩いた所で、矢車は立ち止まった。声が聞こえる。小さな小さな、聞き逃してしまいそうな声が。 矢車は立ち止まり、耳を澄ませる。 「……はママー……」 ――子供の声……だと? 聞き取れたのは“ママ”という単語、そして声のか細さから、声の主が小さな女の子であろう事は容易に想像がついた。 だが、だとすれば危険過ぎる。ゲームに乗った愚か者が何処に潜んでいるかも解らないこの状況で、あんな大声で動き回るのは自殺行為もいい所だ。 矢車は、大きなため息を落とした後、足速に声の元へと歩き出した。 ◆ 遠くから、だんだんと近付いてくる足音。 「なのはママ……?」 これだけ呼んだのだ。なのはママが来てくれない筈は無い。ヴィヴィオの表情は、一気に明るくなった。 「なのはママー!」 安心感からか、大声を出しながら足音に向かって疾走するヴィヴィオ。 ……だが、そこにいたのは、ヴィヴィオが望んだ相手では無かった。 「なの……はママ……?」 「…………」 相手は明らかに男。それも、身長はかなり高い。なのはと比べれば20cm以上の差がある。 蛇柄のジャケットを羽織り、鉄パイプを引きずったその男は、何も言わずにヴィヴィオを見下ろしている。 「……ガキか……」 「え……?」 ややあって、男は小さくそれだけ言うと、ヴィヴィオから目線を外し、反対の方向へと歩き出した。 なのはでは無いものの、彼はようやく出会えた人間。まだ幼い子供であるヴィヴィオに、再び一人ぼっちになれというのは少々酷だ。 「あ……待ってー」 「……ぁ?」 結果、ヴィヴィオは立ち去ろうとする男を追い掛け、その脚にしがみついた。 この状況で最初に出会えた人間。一人ぼっちで心細かったヴィヴィオが、初めて口を聞いた人間。 そんな人間に着いて行きたくなるのは、幼いヴィヴィオにとって当然の事だった。 「ヴィヴィオも一緒に行く!」 「………………」 男――浅倉威は、ちらっとヴィヴィオの顔を見た後、そのまま無視して歩き出した。 ◆ 「(ちからが……はいらん……)」 神・エネルは、どんぶらこどんぶらこと、力無く川を流れ続けていた。 「(神である私が……こんなことで……)」 あの女……あの無礼な女に不意打ちを喰らった為に、今の自分はこんな不様な姿を曝してしまっているのだ。 許せん。あの女は絶対に許せん。エネルは、内心であの橙頭の女に憎しみの念を抱いた。 「(あの女……いつか絶対に神の裁きを与えてくれる……!)」 ……と、考えるのは自由だが、今の自分にはゴロゴロの実の力を十分に発揮する事が出来ない。 先程の女の蹴りを受ける際に雷化出来なかったのがその証拠だ。それだけでは無い。“ヴァーリー”の威力も間違い無く落ちている。 MAXで何Vまで発揮出来るかも些か疑問だ。 そんな事を考えながらしばらく歩いていると―― 「ねーおにーさん、人が流れてるよー」 ――声が聞こえて来た。 小さな女の子の声。だが、今のエネルには首を声の方向へと回す力も無く。声を出す力も無い。 だが、それから直ぐにエネルの上半身は水から上がる事が出来た。 「(……何だ……?)」 目を動かし、自分の体を持ち上げている何かに目を向ける。自分の体を持ち上げているのは、蛇柄のジャケットを着た茶髪の男だった。 ◆ 「――それでね、なのはママはすっごく優しくって、いつもいい子いい子してくれるの!」 「(……戦える奴はいないのか……?)」 ヴィヴィオに付き纏われ、たまらなくウザいと感じながらも、浅倉は戦えそうな人間を探していた。 しかし、歩いても歩いても誰もいない。ようやく人を見付けたと思えば、明らかに戦えなさそうなガキ一人。 まぁこのガキは人の引き付け役にもなるだろうと、着いて来ても無視を続けているが。 「――だからね、ヴィヴィオもなのはママをいい子いい子してあげるの。そしたらなのはママも元気に……あれ?」 「………………」 そこで、さっきから一人で聞いてもいない事を長々と語ってくれるヴィヴィオの声が途切れた。 それに気付いた浅倉は、ゆっくりとヴィヴィオに振り向く。 見ればヴィヴィオは立ち止まり、川に流れる何かを指差していた。 「ねーおにーさん、人が流れてるよー」 浅倉がエネルに気付いたのは、ヴィヴィオに呼び掛けられてからだった。 エネルの筋骨隆々とした肉体を見るや否や、浅倉は不敵に笑い始めた。 「(あいつなら……少しは戦えそうか?)」 浅倉の目的は、戦う事。戦う事こそが、戦う目的なのだ。故に、エネルを助ける。戦う為に。 浅倉は、エネルの体を引っ張り、乱暴に河原へと放り投げた。 「ぐぉっ……!」 「……お前なら、少しくらいは戦えそうだ……」 小さく呻いたエネルに、浅倉は不気味に笑いながら言った。対するエネルは、見るからに浅倉に対して怒っている。 エネルは眉をしかめ、その鋭い眼光で浅倉を睨み付けた。 「少しくらいは……だと? 貴様……口を慎めよ、我は神なるぞ……!」 「ククククク……なら戦え……戦えよ! 神様なら、戦って俺を負かしてみろ……!」 浅倉の笑みを見たエネルもまた、小さく笑い出した。こいつはバカだ とでも言わんばかりに、ニヤニヤと。 だが、目は笑っていない。そのギャップが、余計にエネルの表情を恐ろしく見せる。 「ヤッハハハハ……よかろう。 貴様に、私を助けた事を後悔させて……」 「喧嘩は駄目ーーーっ!」 と、そこで今まで黙っていたヴィヴィオが、二人の会話に割り込んだ。 エネルと浅倉は、二人共ゲームに乗った人間……しかも元の世界では何人もの人間を殺している。 そんな二人に喧嘩をするなと言った所で無駄な事だろうが、ヴィヴィオはまだそれを知らない。 言ってしまえば、ヴィヴィオは今二人の殺人鬼に囲まれているのだ。 ヴィヴィオの声が周囲に響いた後、エネルは一度浅倉から視線を外し、再び不敵な笑みを浮かべた。 「良いのか? ……今の大声で、何者かがこちらに近付いているぞ?」 心網―マントラ―による敵の位置の把握能力。エネルは、こちらに近付いて来る人間がいるとの情報を浅倉に伝えた。 浅倉は頬を吊り上げるような不気味な笑いを見せた後、直ぐに立ち上がり、鉄パイプを構えた。 敵が来るという事実だけ、何となくにだが把握したヴィヴィオも二人の殺人鬼の背後に身を隠す。 ヴィヴィオは知らなかった。 今こちらに向かっている男こそが、真にヴィヴィオを救おうと駆け付けた“仮面ライダー”である事に。 ヴィヴィオは気付かなかった。 今自分が頼っているこの男こそが、自分を囮に利用し、この殺し合いを楽しむ事が目的の“仮面ライダー”である事に。 ◆ 矢車は、デイパックの中身を確認し、武器になりそうな物を探した。 そして最初に見付けたのが、用途不明のカード型デバイス。 このデバイスにはクロスミラージュという名前があるのだが、矢車そがれを知る筈も無く、すぐにデイパックに戻した。 次に見付けたのが、銀のベルト。矢車の良く知るゼクトバックルだ。 だが、変身前にゼクトバックルを持っていたとしても何の意味も無い。これも正直不必要なアイテムだろう。 矢車はそれをデイパックに戻し、再び歩き始めた。 ちなみにこのゼクトバックル、資格者が使えばホッパーへと変身する事が可能だが、ホッパーの資格条件は絶望。 良い部下達に恵まれ、エリートの地位を持ち、戦果を上げ続ける矢車にとっては無縁のゼクターなのだ。 「武器は何も無い……やはり信じられるのは自分の腕だけか」 矢車はそう呟き、再び歩を進めようとした、その時であった。 ――喧嘩は駄目ーーーッ! 「……!?」 突如聞こえた少女の声。間違いない。先程の女の子の声だ。 喧嘩……? 彼女は今、戦いに巻き込まれているのか……? そう考えた矢車は、直ぐに走り出していた。一人の小さな命を救う為に。 走り続けて数分、木を掻き分け進んだ矢車は、このエリアを流れる河原の近くに出た。 「あれは……」 矢車の視線の先にいるのは三人の人影。 鉄パイプを構え、笑っている男が一人。力無く横たわる半裸の男が一人。 そして脅えた表情で小さく隠れる金髪の女の子が一人。なるほど、矢車はすぐに状況を飲み込んだ。 あの蛇柄の男が半裸の男を襲い、あの少女は戦いに巻き込まれてしまったのだろうと。 これ以上少女に恐ろしい思いをさせる訳には行かない。返答次第では、この男を倒す。矢車はそう決意し、口を開いた。 「ねぇ、君はその女の子をどうするつもり?」 「……ククク……ハハハハハハッ!!」 「な……ッ!?」 聞いた自分がバカだった。男は、質問に答える事なく、鉄パイプを振りかぶり、襲い掛かって来たのだ。 もう間違いない。この男はこの馬鹿げたゲームに乗っている。しかも1番質の悪い、快楽殺人の類だ。 矢車は、振り上げられた鉄パイプをかわし、アウトボクシングスタイルで構える。 「チッ……完全調和を乱す不協和音め……!」 矢車は浅倉と距離を取り、策を考える。相手が長い得物を持っているなら、素手で戦う自分は圧倒的に不利だ。 だが、矢車とてエリート。不利なら不利なりの戦い方がある。矢車は、アウトボクシングスタイルで構えたまま、軽くステップを踏み始めた。 「ッらぁ!!」 「……っ!」 浅倉が振り下ろした鉄パイプを後方に回避、そのまま下に振り切られた鉄パイプを左手で掴むと、矢車は大きく踏み込んだ。 浅倉の顔面に、凄まじい速度での右フックが入る。それも矢車が狙ったのは相手の顎。 自分の掌底で、浅倉の顎を叩き付けたのだ。素手で相手を殴る事の危険性は矢車自身が1番良く分かっている。それ故の行動だ。 対する浅倉は、矢車の攻撃を受けたにも関わらず、不敵な笑みを崩さない。 「……しまっ!?」 「らぁっ!!」 「ぐっ……!?」 気付くべきだった。この男はダメージを恐れていないという事に。 矢車は、再び振り上げられた鉄パイプの一撃を左脇腹に受けてしまう。刹那、体に鈍い痛みが走る。 「こんなもんじゃねぇよなぁ!?」 「チッ……!」 咄嗟に後方へと跳び上がり、再び構える矢車。やはり素手で武器を持った相手に挑むには不利過ぎたか? 嫌な汗が矢車の首筋を這う。 ――最初の一撃で落とせなかったか……賭が外れたな。 矢車は構えたまま、自分の甘さを呪った。本来ならば一撃で意識を奪うくらいは出来る筈の打ち込みで、勝利を得られなかった。 相手もまた相当に修羅場を潜って来たのだろう。 ――……一度見せたこの手、奴は二度と掛からないだろう……どうする? 思考を巡らせる。鉄パイプを持った相手に対抗するには……どうすればいい? ――初手をかわして……入るしかない! 再び振り下ろされた鉄パイプ。矢車はすんでの所でそれを回避し、再び浅倉の顔面に掌底を打ち込もうと踏み込む。 「……ぐぅッ!?」 いや、踏み込めなかった。先程脇腹に受けた一撃が痛み、シフトウェイトの瞬間に力が抜けてしまったのだ。 結果、矢車の拳には力が全く入らず、容易に浅倉に受け止められてしまう。 そして、再び突き出された鉄パイプ。 「オラァッ!!」 「ぐぁっ……!」 矢車はその直撃を受け、数歩のけ反る。が、浅倉の攻撃は留まる事無く、隙だらけになった矢車に更なる打撃を加える。 地べたに這いつくばった矢車は、荒い息で浅倉を睨み付けた。 「終わりだ……死ねよ」 「…………ッ!」 浅倉は、力一杯矢車へと鉄パイプを振り下ろした。 「神の裁き……エル・トール!」 「「……ッ!?」」 その時だった。鉄パイプが矢車の頭を叩き潰す寸前に、青白い稲妻が駆け抜けたのだ。 空から降ってきたかのようにも見える雷の衝撃に、浅倉と矢車は一気に逆方向へと吹っ飛ばされた。 なんとか立ち上がった矢車と浅倉は、雷の発生点を睨み付ける。 「……やはり少し弱いな。たかが人間二人殺せんとは」 そこにいるのは、背中から太鼓を生やし、異常に長い耳たぶを持った男。先程まで横たわっていた筈の、神・エネルだ。 「ヤハハハ……まぁいい。随分と待たせたなぁ? 感謝しろ、虫けら。私が直々に裁いてやる」 「クックック…………ハハハ……ハハハハハッ……!」 浅倉にはもはや矢車など眼中に無かった。今最も興味を引かれるのは、目の前の神を名乗る男のみ。 鉄パイプを引っ提げ、エネルへと突進する浅倉。 「愚かな……神を愚弄する愚かさ、身を持って知るがいい」 再びエネルの腕が青白く輝き始める。再びさっきの電撃を放つつもりらしい。 「おにーさん! 危ない!!」 物影に隠れていたヴィヴィオは、浅倉のピンチに大声で叫んだ。が、浅倉の突進は止まらない。 ならば、と、ヴィヴィオは慌てて自分の周囲を探り始める。何か武器になるものは無いのか? と。 何でもいい、エネルを止められればそれでいい。なのはと約束したのだ、「強くなる」と。 ここで逃げてばかりでは、その約束も守れない。そんなヴィヴィオが咄嗟に掴んだのは、10cm程の河原の石ころ。 こんなものしか無いのか……と、普通なら思うのだろうが、今のヴィヴィオにそんな贅沢を言っている余裕は無い。 「この……っ!!」 ヴィヴィオは、エネルに向かって力一杯石ころを投げ付けた。あの電撃を放たせない為にも。 「ん……?」 呟くエネル。石が当たった瞬間、一瞬だが光が消えた。 しかし、やった! と思ったのもつかの間。エネルの冷たい視線に睨まれたヴィヴィオは、凍り付いたようにその場で固まってしまった。 「ハハハハハァッ!!」 そんなヴィヴィオの努力を知る由も無く、浅倉はエネルの胴体に鉄パイプを振り下ろす。 鈍い音が響き、エネルの肩付近に鉄パイプが減り込む。 「やはり……雷にはなれんのだな」 「……あ?」 本来のエネルならば、こんな鉄パイプによる一撃など受ける筈も無い。雷になれば済む話だからだ。 だが、その雷に変化することが出来ない。恐らく、変化出来るのは腕や脚、一部の技だけなのだろうと判断。 それならそれで戦いようは有る。エネルは、浅倉の鉄パイプを右手で握り締めた。 「グローム……――」 そして、力を右腕に集中させる。エネルの右腕は再び光り輝き。 「――パドリングッ!」 鉄パイプへと、凄まじいまでの電流が流れた。流された電流により、鉄パイプは凄まじい熱を帯びる。 「ぐぉっ……あぁぁぁああああっ!?」 エネルの電撃により、右手に伝わる激しい痛みと熱。浅倉は咄嗟に手を離した。 見れば、右手の平はまるで火の中に突っ込んだように焼け爛れている。 「ヤッハハ……金では無く鉄というのが残念だが……十分だ」 鉄パイプは、既に原型を留めてはいない。エネルに流された電流により、高熱を帯びたパイプは、エネルの望む形――三股の矛へと変わっていた。 「ヤッハッハ!」 エネルは、作り出した矛で浅倉を突き上げた。これで浅倉の命も終わり…… 「ん?」 「ククク……ハハハハ……楽しいなぁ……戦いってのは」 いや、まだだ。体に刺さる寸前に、浅倉はエネルの矛の柄を掴み、動きを止めたのだ。 「ほほう、しぶといな」 「ククク……ッらぁ!!」 浅倉はエネルの矛を下方へといなし、エネルの顔面に重いハイキックを炸裂させた。 「くっ……」 のけ反るエネル。浅倉はエネルから距離を取り、再びニヤニヤと笑い始める。 どうやら浅倉もまだそれほどダメージは受けていない様子だ。 とは言っても、第三者から見れば、この戦いは長引けば明らかに浅倉の敗北となるのは明白。 ヴィヴィオはともかく、矢車にはそれが手に取るように分かった。あの男では奴には勝てない……と。 そう判断した矢車は、直ぐに体勢を立て直し、叫んだ。 「何をしてる! 早く逃げろ!」 「……あ?」 矢車の叫び声に、振り向く浅倉。 「解らないのか! そんな奴と戦っていたら命がいくつあっても足りない!」 「…………チッ」 浅倉は、矢車とエネルを数回見比べた後に、仕方ない と言わんばかりに舌を打ち、走り出した。 確かにこのまま戦うのは辛いと感じたのだろう。エネルとは反対の方向に向かって、浅倉は疾走する。 そんな浅倉を見届けた矢車も、急いでヴィヴィオに駆け寄った。 「早く、逃げるぞ……!」 「嫌っ! 離して!」 「なっ……!?」 ヴィヴィオは矢車の手を払い、矢車から距離を取る。どうやらヴィヴィオは矢車を完全に敵だと思っているらしく、明らかに敵意を表している。 「ヴィヴィオ、おにーさんと一緒になのはママ探すの!!」 「なのは……だと!? 待て……ッ!」 矢車はヴィヴィオを追い掛けようとするが、ヴィヴィオは既に浅倉の立ち去った方向へと走り始めていた。 ふとエネルを見れば、蹴られた頭を抱えながらも、その鋭い眼光でこちらを睨み付けている。 「チッ……仕方ない……!」 あんな化け物に目を付けられては命がいくつあっても足りない。 今から自分とは反対方向に逃げた浅倉を追い掛けていては、間違いなくエネルに追い付かれてしまう。 そう考えた矢車は、不本意ながらも、ヴィヴィオとは反対の方向へと走り出した。 今はただ、エネルから逃れる為に。 ややあって、誰も居なくなった河原で、エネルは一人呟いた。 「ヤッハッハ……なるほど、こういうゲームか。面白いじゃないか……!」 今の戦い。そして逃げ惑う人間共……浅倉・矢車・ヴィヴィオ。一応シャーリーも含めてやってもいい。 ここまで来て、エネルはようやく気付いた。 このゲームは、神である自分が逃げ惑う人間共を追い掛け、殺し、優勝するまでの、言わば狩猟ゲーム。 この戦いに参加する者を皆殺しにし、この国を支配するという考えは元より変わり無い。 ただ変わったのは、支配者になるまでの過程を楽しむという事。歯向かう者はなぶり殺しにし、逃げる者は追い掛けて殲滅する。 それがこのゲームの、エネルなりの捉え方だ。 まさに神の為のゲーム。神のみが楽しめる至高の退屈凌ぎ。 「ヤハハ……ヤーッハハハハハ……!」 ゲームの目的を再確認したエネル。深夜の河原に、そんなエネルの不気味な笑い声が響き渡った。 【1日目 深夜】 【現在地 C-7】 【エネル@小話メドレー】 【状態】しばらく陸に上がった事で回復、蹴られた事による頭痛 【装備】鉄の矛 【道具】支給品一式、ランダム支給品1~3 【思考】 基本 主催者も含めて皆殺し、この世界を支配する 1.まずは誰から神の裁きを与えてやろうか…… 2.やはりあの蛇の男(浅倉)からだろうか 【備考】 ※シャーリーを優先して殺すつもりでしたが、どうせ全員殺すので、いつ殺しても同じだと判断しました ※エル・トールの稲妻により、B-7、C-7、C-6で発光現象が発生しました。 【現在地 C-7】 【浅倉威@仮面ライダーリリカル龍騎】 【状態】右手に激しい火傷、疲労(小) 【装備】無し 【道具】支給品一式、ランダム支給品1~3 【思考】 基本 戦いを楽しむ。戦える奴は全員獲物 1.一先ずエネルからは逃げる 2.他の参加者の引き付け役としてヴィヴィオを利用する 3.ヴィヴィオがウザい 【備考】 ※自分からヴィヴィオに危害を加えるつもりはありません ※最終的にはヴィヴィオも見捨てるつもりですが、もしかすると何らかの心変わりがあるかも知れません 【現在地 C-7】 【ヴィヴィオ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】 【状態】健康 【装備】無し 【道具】支給品一式、ランダム支給品1~3 【思考】 基本 なのはママや、六課の皆と一緒に脱出する 1.なのはママを探す 2.おにーさん(浅倉)に着いて行く 3.おにーさんはヴィヴィオを守ってくれる 【備考】 ※浅倉の事は、襲い掛かって来た矢車から自分を救ってくれたヒーローだと思っています ※浅倉を信頼しており、矢車とエネルを危険視しています。 【現在地 C-7】 【矢車想@仮面ライダーカブト】 【状態】左脇腹に鈍い痛み、疲労(小) 【装備】無し 【道具】支給品一式 ホッパーのゼクトバックル@魔法少女リリカルなのはマスカレード クロスミラージュ@魔法少女リリカルなのはStrikerS ランダム支給品0~1 【思考】 基本 仲間を集め、完全なる作戦でプレシアを倒し、脱出する。 1.一先ずエネルからは逃げる 2.あの女の子(ヴィヴィオ)が心配だ 3.なのはママ……? 高町の事か? 4.とにかく仲間と情報を集めなければ 【備考】 ※クロスミラージュの用途に気付いていません ※戦いに乗った者は容赦無く倒すつもりです ※ヴィヴィオの「なのはママ」という発言から、ヴィヴィオが高町なのはと何らかの関係があると考えています 【共通の備考】 ※浅倉・ヴィヴィオと矢車がそれぞれどの方向に逃げたかは後続の書き手さんに任せます ※この場にいた全員がエネルの危険性を知りました。 二人の兄と召喚士 本編時間順 Heart of Iron 二人の兄と召喚士 本編投下順 Heart of Iron GAME START! 浅倉威 - GAME START! 矢車想 - GAME START! ヴィヴィオ - 少女の泣く頃に~神流し編~ エネル -